認知症介護の実情

脳血栓を発症したのが引き金となり、認知症になった方の日常をご紹介します。
発症時の祖母の年齢は92歳、ご家族はまさかあんなに優しくて上品な祖母が認知症になるなんて思ってもいなかったそうです。
脳血栓発症前日、目が回ると云っていた時は余り深くとらえず様子を見ていたということですが、 あの時、直ぐに病院に連れて行っていれば大事に至らなかったのではと今でも後悔しているそうです。

ここから引用です。
『意識が娘時代に戻ってしまうことがしばしばでした。玄関まで這って行っては「家に帰る、家に帰る」
と云って出て行こうとします。家とは生まれ故郷のことです。
玄関は高い段差があり大変危険なので目を離すことができませんでした。
介護疲れも加わり家族もイライラする毎日でした。

自分が着ている浴衣の紐を首に巻きつけ、締めようとするので紐類は手の届く範囲では撤去しました。
電気毛布のコードをはさみで切っていたのには驚きました。
さいわい感電は逃れましたが、以後はさみなどの刃物類は隠してしまいました。
想定外のことばかり起こるので油断ができませんでした。

穏やかな発病前の状態でいても、突如、認知症の症状が出ます。
顔つきまで変わるので、今がどっちの状態なのか一目で分かります。
穏やかな状態の時は本当に優しく、周囲の人にいろんな配慮ができます。
どういう時に認知症のスイッチが入るのか分かりませんでした。

お見舞いに来てくださった方にも面と向かって「嫌い」みたいなことを云うのではらはらしてばかりでした。
決して人を悪く言うような祖母ではなかったので変わり様に驚くことばかりでした。

歩けないはずの祖母が、いつの間にか一人で野外に出たのでしょう。
長い竹の棒を持ち帰り振り回し始めました。痴呆症状態のスイッチが入ると異様な力が出るのでしょう。
動けないから大丈夫と油断していたら大変なことになると実感しました。
行方が分からなくなったことはありませんが、家に一人にすることは絶対できませんでした』

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